海の海水は菌が沢山いて人体に悪いて、ほんと?
いいえ、海の水にいる菌のすべてが人体に悪いわけではありません。多くの海の菌は人体に無害であり、中には有益な役割を果たすものさえあります。しかし、海水には病原菌も存在し、これらが健康に害を及ぼす可能性があります。
危険性のある菌と感染経路
海にいる病原菌は、主に以下のような経路で人体に侵入します。
傷口: 皮膚に傷がある場合、海水中の病原菌がそこから侵入し、感染症を引き起こすことがあります。特に、ビブリオ・バルニフィカスのような菌は、重篤な皮膚感染症や敗血症(はいけつしょう)を引き起こす可能性があります。
口: 海水を誤って飲み込むことで、腸炎ビブリオなどの細菌が体内に入り、食中毒や胃腸炎を引き起こすことがあります。
耳や目: 中耳炎や結膜炎などの原因となる細菌が、耳や目から侵入することもあります。
汚染の原因
海水中の病原菌は、主に以下の要因によって増殖したり、海に持ち込まれたりします。
下水: 処理が不十分な下水が海に流れ込むと、人間の排泄物に含まれる大腸菌などが海水を汚染します。
河川: 台風や大雨の後、河川から農地や市街地の汚水が海に流れ込み、病原菌が増加することがあります。
水温: 海水温が高い時期は、病原菌の増殖が活発になります。特に夏季には注意が必要です。
予防策
海で安全に過ごすために、以下の点に注意してください。
傷口の保護: 傷がある場合は、海に入らないようにするか、防水性の高い絆創膏などでしっかりと覆うようにしましょう。
海水を飲まない: 泳いでいるときに、なるべく海水を飲まないように注意しましょう。
体の清潔を保つ: 海から上がった後は、シャワーを浴びて体を洗い流すことで、付着した菌を落とせます。
これらの予防策を講じることで、海水浴に伴う健康リスクを減らすことができます。🌊
そんな人体に悪い菌がいる海で育った魚とか食べて平気なの?
そんな人体に悪い菌がいる海で育った魚を食べることは、基本的に問題ありません。
その理由は、海水の菌と魚の体内にいる菌が同じではないからです。魚にはもともと魚特有の菌が存在しますが、人間が食べる際に問題になることはほとんどありません。
ただし、注意が必要なケースもいくつかあります。
注意すべきケースと対策
生食(刺身など)の場合:
腸炎ビブリオ: 海水中に存在する菌ですが、魚の内臓やえら、体表に付着していることがあります。もし内臓から身に移ったり、処理が不十分だったりすると食中毒の原因となることがあります。
対策: 新鮮な魚を選ぶこと、調理前にしっかり水で洗うこと、包丁やまな板を他の食材と使い分けることが重要です。
加熱が不十分な場合:
アニサキス: 魚介類に寄生する寄生虫の一種です。加熱によって死滅しますが、生食や加熱が不十分な魚を食べると、激しい腹痛などを引き起こすことがあります。
対策: 70℃以上で1分以上加熱するか、-20℃以下で24時間以上冷凍することで死滅します。
海水中の汚染物質
菌とは少し違いますが、海水中の汚染物質が魚に蓄積されることもあります。
重金属(水銀など): 海水中の重金属が食物連鎖を通じて魚の体内に蓄積されることがあります。一般的に、食物連鎖の上位にいる大型魚ほど蓄積量が多くなる傾向があります。
マイクロプラスチック: 海に流れ出したマイクロプラスチックを魚が餌と間違えて摂取し、体内に蓄積されることが懸念されています。
これらの汚染物質が人体に与える影響については、まだ研究が進められている段階ですが、一般的に、日本の市場に出回っている魚は、厳しい基準をクリアしているため、通常の食生活で健康被害が生じることはほぼありません。
まとめ
海水中の菌が直接、魚の身に影響を与えることはほとんどない。
生食する際は、魚に付着している菌や寄生虫に注意し、新鮮なものを衛生的に処理することが重要。
魚に含まれる有害物質については、国の基準が厳しく設定されており、安心して食べられる。
したがって、魚介類は、バランスの取れた食生活を送る上で、引き続き積極的に摂るべき重要な食材です。
菌以外に人体に影響がある微生物はいるの?
はい、菌以外にも、海には人体に影響を与える可能性のある微生物がいます。主なものとしてウイルスと原生生物が挙げられます。
ウイルス
海水には多くの種類のウイルスが存在し、その中にはヒトに感染する可能性のあるものもあります。
ノロウイルスやA型肝炎ウイルスなどが、汚染された海水から感染することがあります。
これらのウイルスは、汚染された貝類(特に二枚貝)を生食することで体内に取り込まれることが多いです。
ウイルスによる感染症は、発熱や下痢、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こします。
原生生物
原生生物は、単細胞の真核生物の総称で、海にはさまざまな種類が生息しています。その中でも特に問題となるのが**渦鞭毛藻(うずべんもうそう)**などの一部のプランクトンです。
貝毒: 特定のプランクトンが毒素を生成し、それを貝類が捕食・濃縮することで「貝毒」が発生します。この毒素を持った貝を食べると、麻痺性貝毒や下痢性貝毒などの中毒症状を引き起こすことがあります。
赤潮: プランクトンが異常増殖して海面が赤く見える現象で、この赤潮を引き起こすプランクトンの中には、毒素を持つものがいます。これらの毒素が魚介類に蓄積されることで、ヒトが中毒を起こす可能性があります。
これらの微生物は、衛生管理が徹底された水産物であれば、通常は心配いりません。しかし、個人で採集した貝類などを食べる際には、注意が必要です。
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